『幼児の書写事情 子どもにだって言い分はあります』

☆おかあさん聞いてください、桂風先生の泣き笑い奮戦記☆


2011年度と2012年度をまとめています



以下は2012年度の記録です。

幼稚園の書き方教室は今年も大人気。
とくに、3年前に開設した年中クラス対象の“運筆練習コース”は、年々受講者が増えています。
このコースで運筆練習をみっちりすれば、かならずしせい良くすわることができるようになりますし、指先の器用さも良くなります。(ただし、きちんと話を聞き、ルールをまもることが前提です)

運筆練習は、くりかえしが大切です。
でも、近頃の子どもたちは、何回も同じ事をくりかえすのは嫌いですねえ。
「それ、前にもうやったじゃん!」とブーイング。
まあ、くりかえすことの効果などわからない子どもたちですから、「文句を言わずに、もう一回やるべし!!」とも言えず・・・

プリントの絵を変えて見た目をかえたり、教材の順番をちょっと変えたりして、違うもののふりをすれば、また気持ちを新しくして取り組むわけで、要は工夫次第ではありますが・・・
さあ、今年はどんな仕掛けをして、子どもたちを楽しく学ばせようかしら・・・

★「発達段階に応じた指導」って??★   2012.9.24  

このところ、「発達段階に応じた指導」というものの実態に興味津々。

書字においてもよく使われているけれど、「発達段階」をどれだけ把握しているのやら…」

幼児期における文字指導は、依然として水面下で行われているのが実情。

実際にはかなりの幼稚園や保育園で文字を書くワークブックを使用しているが、「入学前には系統立てた指導は行わない」という幼稚園の指導要領への義理立てもあって、指導方法についての研究会も研究発表もない。

幼児教育に携わる学者は、「入学前には教えない方が良い」とすらいう。特に教えるのではなく、個々の幼児の自発的な興味関心に任せて、適宜支援をせよということであろうが、この“”適宜”がクセモノ。

自発的に文字の読み書きを始めた子どもの親は、それをどのように高めて良いかわからず、くもんなどの学習教室へ入れる。それを知った、読み書きに関心のない子の親は不安になり、やみくもに文字の読み書きを教える。

いずれにしても、入学前の書かせ方が、その後の書き方にはプラスに働いていない。

速く書くと字が汚くなる。長い時間書くことができない。いつまでも姿勢よくならない。鉛筆の持ち方がヘン、などなど…

学校では、「入学前に書かせるからだ」といい、幼稚園では、「きちんと教えるのは学校の役目でしょ。」という。

発達段階を踏まえた書字の研究は誰もしていませんよね??

書字における発達段階って何だ!?

う~ん、だれか教えて~!いえ、私が考えなくては!! よ~し、ガンバロウ!!



★聞く力★   2012.5.24  

竹内吉和先生の本によると、人間がものを学ぶときに必要な力は、1、聞く力 2、話す力 3,読む力 4、書く力 5,計算する力 6,推論する力の順だという。その「聞く力」というのは、「傾聴」ではなく「記憶」であるという。

確かに、子どもたちの「聞く力」は低下しているように感じる。実は、書字力も「聞く力」は重要。「知ってる、知ってる(いちいち言わないでよ!)」「わかった、わかった(ああ、うるさいな~!)」このような発言を繰り返すこどもはの文字は不正確である。

ちなみに、話を聞かない親の子は、やはり話を聞いていない。

そして、結局、書き方の基本が習得できず、中途半端な結果となる。

そして、「書き方教室って、あまり効果内みたい」という評価をしてくれるんですよね。

文字をやみくもに書くだけで、上達を求めるのはかなり遠回りです。

昔のコマーシャルではないけれど、「オレの話を聞け!」っうの!!


★オススメ文具 はなまるくん★   2012.5.14  

静岡浜松市にある、エルプラスさんの鉛筆ホルターである。

鉛筆ホルターはいろいろと市販されている。しかし使いにくいものが多い。(まあ、昔よりは使いやすいものが増えましたけれどね)

その点、エルプラスさんの鉛筆ホルターは幼児の小さな手指にうまくフィットする。

商品にひとめぼれして購入したのであるが、HPをみて、また感激!

開発者さん(社長さん)は、ほんとうに子どもたちのことを知り尽くしての上で制作されたと思う。

私の子どもたちへの思いとピッタリなのです。

お目にかかってお話聞きたい~! お礼も言いたい~!という気持ちです。

エルプラス・鉛筆ホルター で検索してみてください。


 
★年中児の体力差★   2012.5.8  

S幼稚園では、今年も年中児への運筆指導にとりくみます。

幼稚園で書写の指導をするべきかどうかは各園での裁量です。S幼稚園では、文字を書かせることに重点を置くのではなく、入学後に文字をより良く書けるようになるための支援として、運筆練習に取り組んでいるのです。けっして先取り教育ではありません。

毎年、年中の最初の運筆練習は、クレヨンで縦・横方向に長い線をひくことです。

B4の用紙いっぱいにまっすぐな線をひくことは、意外と難しいことです。
それに、長い線をひくのは、意外と体力もいります。

文字を構成する線として「始筆、送筆、終筆」を意識して書くためには、速度の加減をしなくてはなりません。
線を平行に引くためには集中力もいります。

体力のない子や、朝ご飯をきちんと食べていない子は、すぐに疲れてしまいます。

家庭環境の差、生まれ月の差など文字とは関係のないことが、文字を書く力として左右するのが4月ころの年中児です。

運筆力は、鉛筆で線をなぞることだけやっても身にはつきません。

姿勢良く座ることも、体力・・・


 
★書き方体操のススメ★   2012.5.2  

私の教室では、鉛筆を持つ前に“書き方体操”をいたします。

文字は書けるのですが、きちんとすわれない子どもが、年々目につくようになったからです。

そもそも、4・5才児が文字を書いているときに、姿勢にも気をつける、なんてことができるわけがありません。

きちんとすわることもできないのに文字を書かせるから、字を書くときに姿勢が悪い子になってしまうのです。ということを、何度書いたことやら・・・

ということは、さておき、“書き方体操”はとても効果がありますよ。  どんなことをするのかって?

両手を挙げて「万歳」した状態でいろいろなことをします。10数えるまでじっとしていたり、じゃんけんをすることもあります。上に伸ばした手を身体の前までおろして「前へならえ」、そのまま、また10かぞえるまでガマン。などなど・・・一緒にする私も結構しんどいです~。でも、これを何度かくりかえすと、座るコツを掴みます。そして姿勢良く書けるようになります。

いつまでもできない園児は、みんな運筆も字も下手。

コレ、ホントですよ~!!!!



 
★早くから字を書き始めると、その分だけ早くうまくなるか?★   2012.4.26  

私の教室は年中から入れます。年中は文字を書くのではなく、文字を書くための運筆練習をしたり、文字についての理解をゆるゆると学習します。

時々、年少クラスの保護者のかたから、「文字が読めるようになったし、書くことにも興味があるので、書き方教室に通わせたい」という申し込みを受けます。

確かに年少の4月生まれと、年中の3月生まれでは1ヶ月しか差がないわけで、年少と年中の間で線引する理由はないのかもしれません。でも、うちの教室は集団指導ですから、どこかで線引をしなくてはなりません。申し訳ないと思いつつ、ご遠慮願います。

実際に指導しても、年中クラスの4月生まれと3月生まれとでは、理解力にも気力にも差がある場合が多い。しかし、生まれ月の差だけが、書写能力の差とはならない。文字への好奇心、手先の器用さ、心身の発達…結構いろいろな要素に左右される。

幼児の発達と書字の関係については研究者がいないのが現状。

早くから字が書けることは、様々なメリットにつながるのかもしれないが、早くから字を書き始めた子が、遅くから字を書くようになった子より、優位なポジションをずっと保ち続けるかというと・・・

長年の経験から言えば、残念ながらYESとは言いかねる。



以下は2011年度の記録です。

今年から“書き方体操”を始めました。
文字を書いたり、運筆練習をしながら姿勢良くすわることにも気をつける、なんて4・5才児にはできるわけありません。
きちんとすわることもできないのに、文字を書かせるなんてことをするから、字を書くときの姿勢の悪さが目立つわけですし、いつまでも姿勢・持ち方が良くならないのです。

ということを、何度ここに書いたことやら・・・

“書き方体操”はとても効果がありますよ。どんなことをするかって?
上半身の筋トレです。
ホント、いまどきの子どもたちって、腕の筋肉も背筋も弱いですね。

両手を挙げて「万歳」のままで10数える、「前へならえ」のままで10かぞえる、これができない園児は、みんな運筆も字も下手。
そして、この体操ができるようになった子どもたちは、運筆も字もグンと上達しています。

コレ、ホントですよ!!!!

★幼いなりのプライド★   2011.9.21  

年中クラスに4人もおけいこの見学(体験)にやってきました。
T君はどうやらその子たちのできばえが気になる様子。Mちゃんも新参者に対抗意識か?  いつもの調子が出ません。

T君は2学期になってから、とても落ち着きがよくなり、運筆も安定していたのに、いつものようにうまく書けません。Mちゃんは、とにかく速く書こうとしてしまいます。

幼いなりに、先輩としてのカッコイイところが見せたかったのでしょうね。「大丈夫、いつものようにうまく書けているからね」と、ちょっぴり大げさにほめてあげました。

そうしたら、安心したのでしょうか、いつもの調子で書けるようになりました。

こんなに幼い子でも、心が乱れると、字も乱れるのですね。

マイペースのKちゃんやSちゃん、今日も変わりなくおけいこできました m(^()<)m 
 


 
★姿勢正しくすわることができない?★   2011.5.21  

多くの幼児の親が言うんです。
「うちの子、字を書くときの姿勢が悪いんです。注意してもなおりません」と。

「背筋をぴんと伸ばしましょう」と言っても背筋ののばし方すらわからない、という保育の先生の声…

そういえば、わが書き方教室でも、いつまでも座ることができない園児が目立ちます。でも、字自体は書けているのです。

数年前までは、1学期の運筆練習によってみんなきちんと座れるようになっていたのに、今は座らせることで手を焼きます。

座り方が悪いので、姿勢が安定しないのです。どこかに寄りかかっていないと身体が落ち着かないのです。

今年は、筆記用具を持つ前に体操をすることにしました。
「両手をしっかり伸ばして空のお星様を捕まえましょう」「頭の上を蚊が飛んでいます、パチンと手で潰しましょう」「大きな風船が飛んできました、そっと捕まえてテーブルの上に置きましょう」などと声をかけながら背筋を伸ばす体操をします。

腕を上方に伸ばした状態で座ると自然に腰が安定すると思うのですが、果たして効果は現れるのでしょうか。乞ご期待!! 
  


 
★運筆練習とは★  うんぴつ指導はクレヨンがオススメ  2011.5.10  

字はただたくさん練習すれば上手になるってものでもありません。

字がうまく書けない理由は「運筆力の不足」です。そう、文字のおけいこ帳や学校の書写の教科書なんかの最初にちょこっとある、あの運筆練習です。

これをしっかりとしなくてはいけません。

昔は学校に行く前のこどもたちは字の練習なんてそんなにしていませんでした。広告の裏とか包装紙の裏にクレヨンで絵を描いたり、たまに字を書いたりしているくらいでした。

それもお兄ちゃんのおさがりのちびたクレヨンや鉛筆をもらって、書きにくいのをがまんしていっしょうけんめい書いていました。でもこれがちゃんと運筆練習になっていたのですね。

クレヨンはえんぴつより太いので、もちやすい。そして、すべりがよい。
運筆練習の第一段階はコレ!!オススメです。鉛筆は安いものは芯が悪くて書きにくいですが、クレヨンは百均のものでもOK!(ただし、なめてはいけませんよ)

今は、クレヨンは手が汚れるから、お部屋が汚れるから、とあまり使わせませんねえ。

どうも、近頃は、きれい好きすぎて子どもの遊びを制限する親がいるみたい。いかがなものでしょうか… 
  


★さあ、新学期です!!★   

今年も新学期が始まりました。さてさて、今年はどんな子とであうのでしょう。

ところで、学習指導要領が変わりましたね。教科書が分厚くなったとか・・・

それにつれて、ランドセルも大きくなったとか。このごろのランドセルはさまざまな色ですねえ。男の子は黒、女の子は赤、なんて時代じゃないんですね。幼稚園の通園バッグだって変わりました。こちらは安全第一でしょうか、リュック型が多くなりましたね。時代は変わっています。

文字を書くこと、現代書写気質は変わったのでしょうか?
きれいな字へのあこがれは今もあるでしょう。それよりもまずは速く正確に書けることでしょうか?

でも、速く書くとぐちゃぐちゃな字になってしまう・・・ 長い時間書くと疲れる・・・ どうやら、こちらのほうが先決の課題みたいです。だって、また学力重視になっていますもの。勉強、勉強って・・・

 


以下は、2010年度のものをアレンジしています。
私自身の備忘のためにも再掲しておきます。

歳をとると同じことばかり書いてしまうので… (@-@) 

★“くもん”か“書き方”か★  

 年長になった子どものお母さんから、書き方教室についての問い合わせ。話しぶりからは、とても知的なお母さんのよう。わが子の書写の様子も良く把握されておられる。教育熱心のようで、年中からくもんの教室に通わせているという。きっと子どもの知的レベルも高いのでしょう。 

 でも、本人はあまり字を書くことを好まないとのこと(書けないわけではないようでした)おそらく、すらすらと書けないのでしょう。そして、左利きとのこと。

 左手で文字を書くから、すらすら書けないということはありません。でも、くもんの教材は右手用に作られているので、きっと使いにくかったと思います。

 幼児の場合、書くという行為は、頭より手先の器用さが優先します。

 電話をくださったご家庭の子どもさんは、早くから小さな文字を書こうとがんばったため、手に力が入りすぎて、疲れ果ててしまったのかも知れません。 

 「字を書くことを嫌っている」というお母さんの言葉に心が痛みます。 
   



★塩出センセイのモノローグ★  

幼児教育的には、字が書けることはあまり意味はない、と言いつつも、教室を開いて20数年。わが「書き方教室」は結構人気がある。そのわけを考えてみた。 

わが教室のモットーは「小学校に入学してからの書写の学習がうまくできるように、運筆練習によって、姿勢・執筆のしつけをします」です。「幼稚園の間に字が書けるようにします」ではありません。まあ、結果的には書けるようにはなりますが…

なぜなら、入学後の実態を見ると、字を速くきれいに書けない子、すぐに手が痛くなる子は、運筆(姿勢・執筆を含めて)が悪い。だから、運筆練習を今のうち(幼児期)にしっかりやるべきと思うからです。

長期的な展望に立っての指導! なんてすばらしい先生であろうか。(拍手~!!) 

そう思っているのは、私だけ。

子どもたちが「書き方、大好き!」というのは、楽しいから。

親が嬉しいのは、幼稚園の延長で指導が受けられる、月謝が安い。親が教えないですむから助かる。まあ、そんなところ。(もちろん、全員じゃないですヨ!!) 

何てったって、たかが書道教室、学習教室じゃあないないですモン。 

「まあまあ、センセィ、そんなに目くじら立てずに…」 そうです、私の所に来てくださる理由は何でも良いのです。要は、子どもたちが、楽しく取り組んだ結果、字を書くことが嫌いにならないような土作りをしているのですから。 

「塩出先生の所(書き方教室)では、あまり上手にならなかったけれど、習字教室(別の所)に通わせたら、上手になりました」

「そうですか、良かったですね」(そこまでの土壌改善をしたのは、このワ・タ・シ・・・)

 これで良いのです。 



【鉛筆の「望ましい持ち方」について】

 Blog Paperの先生への反論をWeblogでしても聞こえないかも知れないけれど・・・

 鉛筆の持ち方を年齢によって変えるなんてことは、遠大なる教育改変。幼児期に書きやすい持ち方を、入学後のいつの時点で直せるのでしょう?そんな技量が学校の教師にあるというのでしょうか?

 先日、幼稚園の先生と書き方(書写)の指導について話しをしていて、先生達が太い軸のシャープペンシルを使用しているのに気付き、こんな質問をしてみた。

 「先生、何でそのシャーペンを使っているの?」

 すると、「だって、細いと書きにくいんですよ。手も痛くなるし」という。

 「そうでしょ、先生がそうなら、子どもたちだって、同じだよ。子どもたちに“はなまるくん”(鉛筆の持ち方の補助器具)を使わせているのは、指の位置をちゃんと覚えるためでもあるけど、あれを使うと、鉛筆自体が一回り太くなるから楽なのよね、子どもだって細い鉛筆だと書きにくいの」

 そういうと、妙に納得された。大人は手が大きいから細いと書きにくいと思われていたのかも知れない。

 ちなみに、2才児くらいの子どもに、いろいろな太さや滑らかさのクレヨンを渡すと、一番書きやすいのをちゃんと選ぶ。それは、太いくて、力を入れなくても濃く描けるクレヨンである。

 鉛筆の持ち方を年齢によって変えるよりも、筆記用具自体を変えた方がよいのではないでしょうか。


【鉛筆の「望ましい持ち方」について】  

 Blog Paperという聞き慣れない名称の書道機関誌?が発刊された。

 Blog Paperなるものは、Weblogで見ること、書き込むことができない人のためのもの? と思うと、さすが手書きのクニの人たち、と笑ってしまう。

 最近、書写書道教育では聞き慣れない名称が目立つ。「書育」だの「育字」だの…

 それはさておき、その中に、鉛筆の「望ましい持ち方」に関する投稿があった。

 大学の先生であるが、小さい子どもにこの持ち方で書き方を教えたら、とても書きにくそうにしていた。それを見て、いわゆる「正しい持ち方」は書くという動作において本当に最も適した持ち方なのか?という疑問を持ったという。

 そして、次のような意見(感想)を書かれていた。

 「おそらく「望ましい持ち方」とは、決して一律のものではなく、特に子どもの場合、成長発達の段階(年齢)に適否があって当然ではないだろうか」と。

 今更のように何を言うか、と言いたいが、偉い先生が関心を持ってくださると、巷の実践者はありがたい。

 ついでに言わせて頂くと、私たちの声にも聴く耳を持ってほしい。

 Weblogはニガテかしらん(笑)


【鉛筆の良し悪し】  
   -結局は低コスト-
      

 ステッドラーの鉛筆は握りやすい。軸の塗装液が滑りにくい性質なのである。特殊な加工であるから、コストは高い。幼児が初めて使用する鉛筆としてはとても具合がよい。

 幼児期に文字を教える(書かせる)ならば、筆記用具の吟味は最優先にするべきと私は考える。

 手指の巧緻性に見合った筆記用具を与えないから、就学後の指導事項である鉛筆の持ち方だの、運筆だのがうまくできないのである。

 そういう観点から、このステッドラーの鉛筆は最良であった。しかし、悲しいかな高い!(現在、1本240円なり!)しかも、地方都市広島には販売店がない。(以前は東急ハンズにおいてあったのが、無くなった)

 売れないからである。

 売れない理由は、鉛筆を変えることでの効果が親にわからないからである。それは、子どもが字を書く所をしっかりと見ていないからである。1本数十円で買えるものに二百円以上も払うほどの価値があるかどうかは親が決めること。しかも、どこの文具屋でも買えるわけではない。お取り寄せをしなくてはならない。そこまでの努力は、なかなかできるものではない。持ち方、姿勢にこだわらなければ、鉛筆はどのようなものでも字は書けるようになる。

「持ちやすい鉛筆があることは、聞いているけど、なかなか買うチャンスが無くて…」というのが親の弁明。結局、姿勢・持ち方は、親の一時的な関心事でしかない、としか言いようがない。(ときどき、小学校に行った後も「先生、幼稚園の時に使っていた太い鉛筆を分けてもらえませんか」というお母さんがおられる。子どもの書き方にきちんと目を向けておられることがわかり、とても嬉しい。)

 無理矢理字を書かされている子ども達の身にもなってみよ。ちょっとでも楽な用具が欲しいはず。
 ちょっときつい言い方かしらねえ・・・でも、鉛筆って大事です。





最近子どもたちが孫のように思えて、お母さんたちが娘にみえる。

私が若いとき、いつも子どもをガミガミと叱っていた。そのほうが子どものためだと思って…

そうすると、母が「そうように怒らんでも…」と言ってくれた。

今、私がそのような立場にいるのであろう。くりかえしですね。