桂風先生と楽しい生徒たちの“書和ぁーるど”
『動物園DE書』


☆時 2010年1月23日(土)~2月14日(日)
☆所 安佐動物公園 動物科学館内


展覧会は無事に終了いたしました。表具の取り扱いをしてくれた某書道店の高橋さんや動物園のイベント担当の竹内さん、ぎりぎりまで大きな作品の裏打ちをしてくれた安田の学生さんなどまわりの皆々さんに多大な迷惑をかけ、自分自身も髪振り乱して走り回り・・・本音を言えば、ほんとうに間に合うのかと心配でした。
今回の動物園での書道パフォーマンスの一番の気がかりは天気でした。何しろ2月7日という寒中。しかも山の中。雪でも降ったら身も凍るような事態になる・・・ほんとうに神にも仏にも祈りました。
おかげさまで、すばらしくよい天気でした。動物園の入場者も多く、入り口でのパフォーマンスに多くの方が足を止めて見てくださいました。
安田大学の書専の学生達も、わが家の生徒達も気持ちよく屋外での揮毫をすることができました。午前も午後も120点満点!!

さすが他力本願を旨とする桂風庵主。「終わりよければすべてヨシ!!」と嘯く桂風センセイであった。

       




 
 ★これが『動物園DE書』!!★ 

 冬の動物園なので入場者は少ない。暖を求めてこの動物科学館内にやってきた人には必ず見てもらえるように、との意気込みで少々派手にレイアウトをしました。

おかげで、いろいろな年齢の方が見てくださっておりました。
 会場にある本来の展示物が大動物の骨やら剥製やら、みな大きいので我々の大作も特別大きいとは感じないくらいでした。これがふつうの長半紙くらいだったらあまり目立たなかったかもしれません。

 書道展のイメージとはちょっと離れたかも知れませんが、これもいいのでは・・・
 出品者はみんな楽しんで書きました。ですからその気持ちは会場にあふれていました。

 日ごろの練習はさておき、イベントは楽しまなくっちゃ!!




   会場の全体風景です

 エントランス「ようこそ書道動物園」はふわふわでシースルーのラッピングペーパー。
 中の様子がチラッとみえるように・・・

     


     


  


   展示方法には結構悩みました。書道展って、作品を上手・下手という基準で見てしまいます。
出品する側の経験年数や、練習時間などのいろいろな事情にはおかまいなしに「この人うまい」「これはイマイチ」なんて言いながら見ている人がいます。そんな目でみてもらいたくないと思うのですが・・・  
 学年別に展示するのが、統一感があって見た目は整然としているのですが、比較対象にしやすいので、これは良い方法とは思えません。
 「みんなが納得できて、その上楽しい並べ方」ちょっと悩みました。

 「動物の体重の順番に並べよう!!」

 ということで、体重の重い順にいました。」グッドアイデァ!! (*^-^*)
多少は順番が違いますが・・・

     


この「虎」「登竜門」は、紙の大きさの関係で中央になりました。「麒麟」も紙が大きいので・・・



 



 どの作品もみんな一生懸命に書いています。

     


     




 動物園には小さな子どもたちもたくさんやってきます。動物科学館内には自由にさわれるものがたくさんあるので、作品にもさわりたくなるかもしれません。
作品を守る工夫もさりげなくしなくてはなりません。そのため軸の前に机を置いたり、作品の位置を通常より少し高めにしました。

     




十二支の印を作ったのは、歯科技工士の先生たち。一見、篆刻のようですが、実は歯形をとるための石膏が材料なのです。 でも、彫る技術は確かなものです。


     


     
 

 


  中央のガラスケースには小さな作品を並べて「ミニ書道動物園」にする予定でしたが、動物園の展示担当の竹内さんのアドバイスで、急遽、いろいろな動物に因んだ書道用具を展示することにしました。折にふれて集めていたがらくた、いえおもしろい材料の筆や、干支の文鎮、変わった形の硯など・・・ 骨董的な価値のあるものではなく、ギャラリーの目を惹きつけるものを並べました。結構熱心に見入ってくださる人が多かったようです。

     


     
 

この書道展は、やはり書道展としてはイレギュラー。でも、多角的に楽しめるものであったと思います。
    





 にぎやかな書道展、と思われるでしょうが、
動物たちを見に来た人が、たまたま目にした展覧会を「おもしろそう」と足を止めて見入ってくださったのです。

「大入」に感謝。
展示の企画、搬入、搬出のお手伝いをして下さった動物園の皆さん、長谷川先生、そしてわが家族にも感謝、感謝でした。