桂風庵 合同書道展

☆楽しみまっ書!−書いて楽し 見て楽し−☆

第一部 第7回『NARU書き方・書道教室卒業記念作品展』
第二部 迫田恵子あらため村恵子の書の世界
第三部 広島文教女子大書道専修生による『飛ンデモ三十六歌仙 全員集合!』

【時】2006年4月21日〜24日
【所】広島市まちづくり市民交流プラザ4F ギャラリー




おかげさまで無事に終えることができました。

責任者といたしましては、あれこれと反省をするときりがなく汗顏のいたりではございますが、
子どもたちの純粹な作品、若者達の感性豊かな作品に免じてお許しいただけますと幸いに存じます。

お忙しい中をご来場いただきました皆々様には、心よりお礼申し上げます。
今後ともどうかよろしくご支援くださいませ。 m(__)m






     第一部 第7回『NARU書き方・書道教室卒業記念作品展』




小学生の力作の数々!

   
 【全体風景】

子どもたちにとって、 このような大きな作品に挑戦することは、 これからの人生において そうそうあることではないでしょう。

  いつもは、繰り返して練習し、 その中から一枚を選んで清書とするという学習ですが、 これらの作品は、多くの練習時間をとらず、 精神集中して短時間で書き上げた、緊張感のあるものです。
言葉はもちろんですが、 紙の色も、それぞれ自分たちが選びました。



   
 
馬江凱洋君 (鈴が峰小卒)




馬江君の「将来の夢」はなんだろうね。これから先、 いろいろな夢をもって元気よく生きてゆきましょう。
まっすぐすじの通った気持ちのよい作品です。



   
 松浦奈見さん (鈴が峰小卒)





思わずニッコリしてしまうことばです。 つらいときにも、この字を見ると勇気がわいてきそう。 元気いっぱいの奈見ちゃんらしい作品ですね。



   
 向井珠里さん (庚午小卒)

このことばの響きを大事にした語句選びでしたね。 「梅林の月」のイメージに合った紙の色を、という 珠里ちゃんのこだわりがステキでした。



   
 山根智美さん(鈴が峰小卒)

中学に進学するにあたっての決意かな? 大きな夢を抱いて、どんなときも希望を持って 進んでゆきましょう。



   
初本沙百合さん (鈴が峰小卒)

おだやかな広がりを感じるきれいなことばですね。 沙百合ちゃんはこのことばに どんな思いをこめているのかな。



   
 伴丈朋奈さん (高須小卒)

朋ちゃんは、小さい子がどんなにさわいでも、 マイペースで書いていました。 左利きなので、右手で文字を書くことは 決して楽なことではないはずです。 好きなことだから頑張る! そんな芯の強さが感じられます。



   
 森下直起君 (庚午小卒)

キミは本音が言えないシャイな子だね。 この作品を書いていたときのように、 ひたむきな気持ちをもっと前に出そう。 心を開くと自然は力をくれるよ。



    佐久間史子さん (草津小卒)

私は知ってしまった、オトナの味! おとなの人が書いているところを偶然見て、 「どうしてもこの大きさで書きたい!」 ひたむきな思いが、この作品になりました。



   
 岡本真奈さん (井口台中学卒)

お習字から書道への一歩を踏み出しましたね。 いろいろなスタイルの字を組み合わせて書くことは、 とても楽しかったでしょ?



   
 会場風景

よい写真がなくてゴメンナサイ



   
 古舘彩香さん (井口中学養護学級卒)

彩香ちゃんはからだが不自由です。 歩くこともできませんし、 腕もなかなか持ち上げることができません。 えんぴつも筆も、みんなと同じようには持てません。 でも、字を書くことは大好き。 一生懸命さが出ている作品です。



   
古舘彩香さん (井口中学養護学級卒)

これは昨年の地域のふれあい活動の時に 段ボールの端切れで書いた作品です。 書道作品というよりは、 ちょっとした芸術作品でしょ。



   
福山育子さん(基町高校卒)

しばらくお休みしていたのですが、 大学進学が決定してから、引っ越しの前日まで 短期間でしたけれどがんばりました! 奈良時代、まだ文字が日本にはいってきて 間もないころの書風です。 外側のデザインは村先生が考えてくださいました。 なかなか古風な雰囲気でステキでしょ。




     第二部 迫田あらため村恵子“書の世界”



   

こうして並べると、迫田いえ村“書ワールド”がわかります。 様々な書体のバリエーションある作品での数々ではありますが、 全体的に明るくて、おしゃれなイメージで統一されています。 先生の可愛らしい人柄があふれていますね。



   
(創作)春眠不覚暁(以下略) 

卒業制作時の作品の一つ。 篆書を現代風にした作品。 この作品は、早くも揮毫依頼がありました q(^ ^)p



   
(臨書) 黄庭堅   伏波神祠詩巻

巻子(巻物)の作品に挑戦! 卒業後初めての大作。



   
 (臨書) 黄庭堅   伏波神祠詩巻

部分拡大



   
(創作) 孟子詩   萬物備於我

以下制作年代順になっています。



   
 (創作) 劉長卿詩  七言絶句







部分 拡大

   
 (創作) 春の歌四首

それぞれの扇面には、隠し味として ちょっとした工夫が凝らされています



   
(創作) 白樂天詩  七言絶句 

かなりの大作です



   
 大きさ比べ

天井から床にとどいてしまうほどの大作!



   
(創作) 源 兼昌のうた(百人一首より)

華奢なかなをこんなに大きく書いて・・・ でも、 墨色と余白のきれいさで上品なかな作品になっています。



   
(水墨画)梅花

先生のコーナーが、ぐっと華やかになりました。 絵もお上手!



   
 王守仁詩  七言絶句

構成のおしゃれな作品。 でも、ちょっと小さめ・・・ 来年は大作を書いてくださいね!




第三部 ここからは『飛ンデモ36歌仙』のコーナー

          表装も全部手作り! 

         お金はかけず、手間かけて・・・(笑)



   
 井原夕貴


日比野五鳳の作品にあこがれて、倣書してみました。 そのスケールの大きさにあらためて敬服。



   
井原夕貴

やはり日比野五鳳を師匠にして、小字作品に挑戦。 額のマットがしぶい。 着物地です。



   
井原夕貴

授業中に作った作品が一番お気に入り。 試作で厚手の裏を打ってしまったので、 既成の額に貼り付けるしかなく、 創意工夫に欠けました。



   
岡本 舞

本阿弥光悦もビックリ!遊んでる〜



   
 岡本 舞

背景の「桜」の文字がオシャレ。 もしかして和歌本文の字より・・・



   
 岡本 舞

にじみ止めをしてなくて・・・ ほんとはもっときれいな色調だったんです〜 金箔がきれいに貼れました。 料紙作家近藤陽子先生のおかげです。



   
 岡本 舞

今年は本阿弥光悦で勝負! いかがです?



   
  岡本 舞

大きく書くといろいろと難点が・・・ でも、制作途中は、楽しかった。



   
青木典子

お気に入りのスカート生地をマットにしました。 ちょっと変わった雰囲気の表具になりました。



   
青木典子BR>

色紙の大きさです。 印の位置がオシャレかな。 ちょとピンぼけで良さが見えにくいです。 (犯人は塩出です。ゴメンナサイ!)



   
 青木典子

表具の途中に汚れた箇所は 王朝継紙を参考にして別紙で補修。 知恵は使わなきゃ。



   
河村朋美

ガラスが入っているので光が反射してしまい 自信作の破り継がお見せできません 近藤先生直々にご指導頂いたのに・・・(泣)



   
 河村朋美

手作りの額が自慢。 一見木製に見えるのですが、実は紙粘土です。 総制作費、二百円以内???



   
河村朋美

この軸も自分で作ったのですよ〜!



   
河村朋美
手のひらサイズの作品です。 狭い部屋にも飾れます。



   
遠藤亜紀

着物を仕立てた残りの反物で、 タペストリーにしてみました。 手間がかからない割には、カッコいいでしょ。



   
 遠藤亜紀

さすがに着物布は落ち着きがあります。



   
遠藤亜紀

鈴木翠軒は現代感覚にマッチした作風。 滝のほとばしるような流れが出したくて・・・ 厚手の白のアクリル板で洋風なアレンジ。



   
 高島 歩

文教女子大の書道専修は軸装も自分でします。



   
 高島 歩

歌の内容に因んで、紺紙に銀泥(もどきです) レイアウトはペーパームーンのイメージで・・・



   
高島 歩

表装にもみ紙を使いたくて。 作品と表装がマッチして満足。



   
 三好のぞみ

作品は鈴木翠軒風。 表具は塩化ビニルにマニュキアアート!



   
三好のぞみ

漢字かな交じりで力強い表現をねらいました。 表具にもこだわってみたのですが、 切り取られちゃいました(泣)



   
 三好のぞみ

わたしはやっぱり鈴木翠軒にビビビ・・・ でも翠軒さまにはなかなか近づけません。 沖縄で買った紅型の紙が使いたくて・・・ いかがでしょう?



   
 水入瑛弥

レイアウトには自信あり! 手持ちの額に一工夫。



   
 水入瑛弥

文字は伝西行筆「中務集」から習字しました。



   
水入瑛弥

額の表具ですが軸のイメージも取り入れています。





   
國府愛香

『香紙切』の書風にすっかり魅せられて・・・ レイアウトは『升色紙』



   
 國府愛香

『香紙切』風3部作



   
清松亜紀

今回は『本阿弥切』を基調にした3部作。 ありきたりはつまらないから構成は思い切りブッとんでみました。



   
 清松亜紀

変化を求めたものの軸作品に似てしまいました。 発想を変えるってムズカシイ・・・





   
清松亜紀

ちょっと高価なお軸みたい。 古筆切の茶掛けにあやかってみました。 拡大すると・・・ああ情けない



   
 藤井由紀

『曼殊院古今和歌集』が大好き。 その雰囲気を取り入れてみました。



   
藤井由紀

中字の作品に挑戦。むずかしかった〜! レイアウトは現代風で満足。



   
岡久郁子

歌仙絵が書けることが強み。 おしゃれな構成と絵がうまくマッチ。 表装も現代的ながらうまく合っています。



   
 岡久郁子

万葉仮名を匠に取り入れて華やか。



   
 岡久郁子

折帖作品岡久本『小町集』ができました。 その1枚目が小町の後ろ姿。 いろいろな散らし書きで楽しい『小町集』です。



   
 塩出智代美

  学生達にはっまけられません。 
     三十六歌仙勢揃い! 
変体仮名を一切使わず、 平仮名と漢字だけで散らし書きにした折帖2巻。 見開きで三十六歌仙の歌合にしてあります。





   
  塩出智代美

一部拡大


準備中

   
塩出智代美

粘葉本が作って見たくて挑戦しました。 継色紙を意識した構成です。 継色紙独特の「渡り書き」も取り入れてみました。 平安の雅を味わうことができ、最高! 製本は富岡泰雅堂さんにお願いしました。




毎年のことながら、貧乏所帯のため、 ポスターや案内状の作成。会場設營・展示、時には表装まで、何でも手作り。 
でも多くの手助けがあり、こんなにも素適な展覧会になりました。 
 
幸せの輪がどんどん広がっている
 
 “他力本願 桂風庵”
 
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。